今月の花のコースは ”鈴蘭(スズラン)”


4月ですね! 新年度がスタートしました!

今日(4月6日)の善福寺川の桜並木は桜吹雪がとても綺麗でした。
では今月の花のコースのご紹介です。
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2016.4.6 ~ 5.11

鈴蘭 (スズラン)
Menu de Muguet

・プティ・トマト飴とプティピッツア
Amuse Bouche.

りんご飴ならぬトマト飴。
キャラメルに黒胡椒の辛味を加えて大人味にしております。

プティ・ピッツアは、フランス料理のノウハウで作っています。
ピザ生地をパイ生地に変えて、ピザソースにはエシャロットを加えたトマトソースを採用。バジルのピストーソースを最後にかけて。

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・九州西米良サーモン と 美白マッシュルーム  キャビアと胡瓜のソース
Saumon , Champignon de paris , Caviar, Concombre .

続いて、前菜一品目は九州の西米良村のサーモン。

宮崎県西米良村は九州山地の背陵に位置する山深い村です。清らかな水と寒暖差の大きな山地気候の中、西米良サーモンは3~4年かけて育ちます。

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「飛び跳ねる西米良サーモン」

大量生産よりも「安全で高品質が第一」を掲げ、卵からの一貫生産を行っており、防疫対策も徹底した環境下で育てられています。

西米良サーモンは、ドナルドソントラウトとエゾイワナをかけ合わせることで誕生しました。平成6年の初出荷以降も、エサにこだわり、肉質改善の研究を続けることで、鮮やかな色と味を作り上げています。
特に輸入サーモンとは違い、注文した次の日には、活き〆で届くので鮮度感は抜群。

程よい甘みと脂の乗り、食欲をそそる色とあっさりした食感は、生でも、火を通しても、さまざまな調理に適しているように思います。

程よい脂ののりと甘みがあり、旨味を持ちながら口の中にしつこく残らない綺麗な食感。川魚の新しい味覚です。 

宮崎県を代表する品質の高い魚だと思います。
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山奥の小さな西米良村から届きました。

 

 

 

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箱を開けるた写真。わずかに見える綺麗な鱗に期待が高まります。

 

 

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しっかり水に当たらないように綺麗に入ってます。

 

 

 

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思ったより大きくて丸々太ってます。色鮮やかですね。

 

 

生産者の濱砂さんご夫妻に大切に育てられたこの西米良サーモンを、アヴォカドムース、キュウリとキャビアのソース、トマトのコンソメz、美白マッシュルーム、そしてほのかなオレンジの風味で纏めております。ぜひお楽しみください。

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カリフラワーのポタージュ オマールの泡
Potage chou-fleur au emulution de Homard.

今月のスープは カリフラワーとオマール海老のポタージュにいたしました。
今の時期に美味しくなるカリフラワーをフォン・ブランや馬鈴薯とともに旨味のあるポタージュに仕上げ、オマール海老の泡をのせます。
香りよくポワレしたオマール海老の欠片とエストラゴンを中央に据え、クルトンを添えています。

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フォアグラのポワレ 白筍 ウルイ  コリアンダー風味
Foie gras , Bambou , Urui , Coriandre.

前菜三品目はフォアグラ料理。

クルティーヌのフォアグラは、僕がフランスに滞在した7年半の最後の地、南仏のポーの街に本社を構える世界一のシェアと創業140年の歴史を誇るルージエという会社の最高ランクのものを使っています。当時から、フォアグラ料理のデモンストレーションなどを頼まれていたので、とても懇意にしてくれる会社でもあります。
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そして、春といえば筍です。千葉県の大多喜町の渡辺さんからアク抜き不要とも言われる美味しい白筍が届いております。
大多喜町は、モウソウ竹林が300ヘクタールにもおよぶ「竹の里」で、中でも土壌が酸性白土の、弓木、平沢、川畑地区などは、苦味、えぐ味ない良質な筍(たけのこ)を産すると古くから言われているそうです。
110309takenokoおいしい筍とは、「香りが良い」、「食べた時の味が良い」、「歯ざわりが良い」、「柔らかい」、「瑞々しい」など、いろいろな要素があると思いますが、その筍のおいしさを決定づける栽培上の一番の要因は、土質であるといわれています。筍の栽培において、酸性白土の土壌が適しているといわれていますが、ひらたく言うと、のっぷ(火山灰土)が掛かっていなく、粘土質の濃いところに美味しい筍ができるということです。
では、なぜ粘土質の濃いところがうまい筍ができるのでしょう。
それは粘土質の水持ちが良い点にあると考えられています。水持ちが良い土壌からは、水分や土からの養分が安定して植物に供給され、繊維が緻密になるといわれています。

加えて、渡辺さんは「地もぐりの筍」を掘り続けることに専念されています。なぜなら、筍は地表に顔を出し太陽の光を浴び始めると、すぐに緑化を始め、竹になり始めます。竹になり始めるということは、硬くなりエグミがでてくるからです。 筍を掘る者にとっては、地面にでている筍を掘るほうが労力的に断然ラクです。筍そのものを見つけた上で掘り始めるので、時間的にも短縮され、大きくなってくるので収量が上がります。また根が上方に上がり硬くなり始めているので、ちょっと雑に掘っても傷がつきません。一方「地もぐりの筍」は、地中にある筍を地面の動き(地割れや盛り上がり)で判断し探し出さなければなりません。また、地面にもぐっていればいるほど筍は柔らかくクワがちょっとでもあたると傷がつきます。深くまで掘らないと掘り上げられないので細心の注意と技が必要となります。

4月中旬を過ぎると、でてくる本数、一本一本の伸びる長さも倍増するため、地面に出てしまう筍がたくさんになってしまいます。敢えてこのような筍は見捨て、地もぐりの筍だけを掘ることは、何よりもこの白筍の柔らかさと瑞々しさ、香りを味わっていただきたいという渡辺さんの思いの現れということですね。

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綺麗な筍が届きました。
それらを、いまが美味しいウルイでスッキリとお召し上がりいただきます。添える白葡萄がガストリックのソースとウルイや白筍と繋げてくれます。

 

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サヨリと川俣シャモのコンソメ ア・ラ・ロワイヤル仕立て  旬の鮮魚とアイオリのフランと共に
Consomme de Sayori et voraille fermier a la royal.

天日干しのサヨリと川俣軍鶏で、牛の旨味とはまた違った味わいのコンソメスープをご用意しました。サヨリが入荷する際はサヨリを添えて、海が荒れているときは鮎魚女(アイナメ)を添えて、スープ仕立てで供します。
滋味溢れるコンソメにサヨリとアイオリのフランを浮かべて、菜の花を添えております。サヨリのお吸い物が飲みたくて、(の、わりには凄まじく手間と時間とお金をかけてしまいましたが)フランス料理のお吸い物をご用意しました。

IMG_0965お出汁を引いてるサヨリの写真。

 

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ブリュゴー家のシャラン鴨胸肉 名残り桜の一皿 マヌカハニー
Canard Challandais Roti au Fleur de cerisier . Parfume de Miel de Manuka

久しぶりにビュルゴー家のシャラン鴨の登場です。

ビュルゴー家は100年に渡り、ルーアン鴨の血を引くシャラン鴨の飼育とその商品を受け継いで来ました。実に恵まれたシャランの環境の中で、その伝統ある飼育方法を頑固なまでに守り続けています。

17世紀半ばに生み出されたこの鴨に当初、この鴨固有の名前はなかったようです。シャランで生産されていたにもかかわらず、ナント鴨と呼ばれていました。パリの中央市場で「ナント周辺から来た鴨」として世に名を出したからです。ナント駅から出荷されていたことから「ナント周辺から来た鴨」と呼ばれるのですが、それこそ「ルーアン鴨」と呼ばれて出回っていることもありました。確かに「ルーアン鴨」は、“カナール・ルアネ”という確立された鶏種ですが、20年以上も商品化されていないようで、現在では、ルーアン地方のいくつかの飼育場で繁殖用種鶏として大切に保存されているのみです。
もともと“シャラン鴨”というブランド鴨自体存在していなかったということです。その後、より適切な名前として、生産地であるシャラン北部(現在のヴァンデ地方)にちなんで、「シャラン鴨」と呼ばれるようになったそうです。

鴨には陸鴨と湿地帯を好む水鴨がいますが、ビュルゴーのシャラン鴨は後者。湿地での生息を望むため、飼育範囲はシャラン北部ヴァンデ沿岸地域に限定されます。このヴァンデ地方には、実はイヴ・シャルル(初代オーナーシェフ)が別荘を持っていて、僕も夏のバカンスに毎年10日間遊びに行っていました。大西洋に程近く、海の幸も鴨も、本当に美味しいところでした。
なんだかどこまでも平地の続くような、のどかなフランスの一地方という感じです。バイクに乗ってすっ飛ばすイブの後部シートで必死に振り落とされないようにしながら、鴨をよく目にしました(笑。
脱線しましたが、このあたりの湿地帯は鉱物の塩、プランクトン、様々な幼虫などを多く含みます。鴨の発育に最も必要な水が グランリュウの湖から流れ出てくる、大変恵ま れた土地なのだそうです。
飼料は、職人達の長年の経験と知恵から生み出した配合で、トウモロコシ、小麦、マラカス麦、 大豆、果肉、糖蜜を独自に配合したものが 使用されています。 そして、上記のような飼育条件を満たす契約農家で飼育された鴨のみが、BURGAUD(ブリュゴー)ラベルとなる訳です。この「シャラン鴨」の生産量は少なく、フランスでも一部のレストランにしか出ていません。

屠殺には主に窒息法が用いられています。血液を体内に残したまま屠殺れるこの窒息鴨(カナール・エトゥフェ)は、他の方法で屠殺されたものよりも肉が赤く、柔らかくなります。そこから、別名、AU SANG (オーソン)とも呼ばれます。
この窒息法は、フランスで唯一ビュルゴー社に認可されている伝統的な屠殺方法です。

フランス大西洋岸ヴォンデ地方の湿地帯で育った、世界中でビュルゴー家の鴨だけにしか名乗れない希少なシャラン鴨エテュフェとなる訳です。
そのビュルゴー家のシャラン鴨を最も多く料理してきたレストランが、フランスの、かの有名な、偉大な、レストラン・トゥール・ダルジャンです。
そのメニューにある、世界中のほとんどの著名な方々が食べたと言われる、ナンバリングされた鴨料理、Canard au Sang(カナール オー ソン)とは、まさに、このブリュゴー家のシャラン鴨のことなのです。

食べてみたくなりましたか?
今月は、このブリュゴー家のシャラン鴨をメインに、名残りの桜を合わせたいと思います。そして、ソースには、非常に珍しい「マヌカUMF20+」 を使用します。

このマヌカがどれだけすごい蜂蜜かっていうのは、今日はもう時間がなくなってしまったので、また後日語りたいと思います。➡︎ 「マヌカハニーをフランス料理として」

そして、付け合せには土佐から届く岡崎農園のトマト!です。まだ読んでいないかたはこちら

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シャテルドンと日向夏とバニラビーンズのソルベ
Sorbet au Hyuuganatsu.
絶妙なバランスです。

シャテルドンはご存知の通り、別名水のドンペリとも世界一美味しいと言われる水です。以前のブログはこちら

 

宮崎県特産パパイヤと苺の出会い スューズのソルベ添え
Papaya  et  Fraise  au  Suze.
完熟パパイヤって美味しいですよね。今年もパパイヤの季節です!

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フランス産パムプリー(AOC)
無塩バターと、そのバターのために作った自家製パン Pain et Beurre de Pamplie.

小さな3種のフランス菓子
Mignardises.

食後のひととき
阿佐ヶ谷カフェフレスコ」:エスプレッソ、コーヒー又は「マカイバリ」:ダージリン、アッサム  又は フレッシュハーブティー
Cafe ou The.

¥8,900